公開:2021.12.02

オフィスレイアウトに重要な「動線」を設計する際のコツ7つを紹介!

オフィスレイアウトを決める際は、執務スペースと設備の位置関係や通路の取り方を考える必要があります。特に重要なポイントが「動線」の設計です。

動線を設計して人の往来を可視化することで、オフィスを利用する社員の動きやすさを確保できます。オフィスにおけるコミュニケーションや業務の効率を高めるためには、オフィスに適した動線の設計が欠かせません。

当記事では、オフィスレイアウトで重要な動線についての説明と、オフィスの動線を設計する際のコツを解説します。

1.オフィスレイアウトで重要な動線とは?

オフィスレイアウトで重要な動線とは?

動線とは、建物内を人が移動する経路を線にして表現したものです。オフィスレイアウトの動線は、オフィスの出入口から執務スペースや設備などへとアクセスする経路のことを指します。

オフィスレイアウトの動線を設計する際は、動線計画を立てることが重要です。動線計画では、動線を図面化した動線図を作成して、人や機材の動きについて分析・検討を行います。

実際の動きを考慮した上で、作業効率を高められる最適な動線を設計することが、動線計画の目的です。

1-1.オフィスに適した動線

オフィスレイアウトの動線計画では、以下の3つを押さえた動線にしましょう。

・動きやすい

動きやすい動線とは、経路がシンプルで目的地へと迷わずに行ける動線のことです。動きやすい動線を意識することで、オフィスを利用するすべての人が効率よく動けます。迂回や往復がなく、目的地へと直線的な経路で行ける動線を作りましょう。

・設備が使いやすい

設備が使いやすい動線は、社員の業務効率を高められます。執務スペースからアクセスがしやすい位置に設備を置きましょう。ロッカー・コピー機・FAXなどの設備周りは通路を広げると、人の流れが滞らない動線を作れます。

・安全である

オフィスの動線を考える際は、安全面に配慮することも大切です。安全面をおろそかにした動線では、資料の持ち運び中に事故が起きたり、社員同士のトラブルが起きたりするケースもあります。安全な動線が整えられたオフィスは動くときに不安がなく、社員は高いパフォーマンスを発揮できます。

2.オフィスの動線を設計するときのコツ7つ

オフィスの動線を設計する際は考えるべきポイントがいくつもあります。具体的に何を意識してオフィスの動線を設計すればよいか、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

オフィスの動線を設計するときは、複数の動線を作る、距離・幅を確保するなどのポイントを押さえることで、社員はもちろん来客にとっても快適な動線が作れます。

2-1.メインとサブの動線を分ける

オフィスの動線を設計する際は、メインとサブの動線を分けて作りましょう。メインの動線とは、オフィスの出入口から伸びる直線の通路です。人がすれ違っても接触しないように、メインの動線は幅を広く取ってください。

サブの動線は、メインの動線から派生する形で作ります。メインの動線が混雑している際に、別の通路を通って目的地へ行けるようにすることが、サブの動線を作る目的です。

メインとサブの動線を分ける際は、シンプルで動きやすい動線が損なわれないように注意してください。メインとサブの動線は明確に区別して、それぞれが重ならないようにすることがポイントです。

2-2.各設備に手が届きやすい位置に配置する

各設備に手が届きやすい位置に配置する

オフィスを利用する誰もが設備を利用できるように、各設備は手が届きやすい位置に配置することが大切です。社員が快適に作業できるかを重視して動線を設計することで、社員のストレスを軽減して業務効率化につながります。

たとえばコピー機や備品棚などの利用頻度が高い設備は、メインやサブの動線上にある空間に配置しましょう。デスクから設備の場所へ行き、設備の利用後に元のデスクまでスムーズに戻れる回遊性のある動線を作ると、社員の動きに無駄が生まれません。

オフィスに設備が多いときは、利用頻度の高低や利用する社員のデスク位置も考えて、設備の配置を考えてください。

2-3.適切な通路幅を確保する

オフィスの動線を設計する際は、消防法・建築基準法に則って通路幅を決めましょう。建築基準法施行令第百十九条では、下記の通りに通路幅を定めています。

廊下の配置 通路幅
両側に居室がある廊下の場合 1.6m
その他の廊下の場合 1.2m

出典:e-Gov法令検索「建築基準法施行令」

メインやサブの動線は非常時の避難ルートとして使用するケースもあり、建築基準法で定める通路幅を満たす必要があります。通路幅は、多くの人が使用するメインの動線で1.6m以上、サブの動線は1.2m以上が理想です。

また、デスクとデスクの間やデスクと壁の間を通る通路は、大人1人が余裕をもって通れる90cm程度の通路幅が適しています。

2-4.ソーシャルディスタンスを考慮して距離・幅を確保する

近年流行している新型コロナウイルス感染症の対策を行う企業は、オフィスレイアウトにもソーシャルディスタンスを考慮する必要があります。オフィスの動線は快適に動ける・設備が使いやすい以外にも、通常よりも広めに距離・通路幅を取ることを意識しましょう。

たとえば執務スペースでは、社員同士が近いデスク配置とならないように注意します。メインの動線に人が集中するときには、サブの動線を多めに作って通行を分散する対策が必要です。

また、飛沫防止のためにパーテーションを設置する際は、パーテーションを避けて動くことを考慮して通路幅を確保してください。

2-5.人通りの少ないところに出入口を作る

オフィスの出入口は人通りが少なくなるように動線を設計しましょう。出入口に人通りが多い動線を設計すると出入口を塞いでしまい、社員はもちろん来客もスムーズな通行ができずにストレスの原因となります。

人通りの少ないところに出入口を作る際のポイントは、オフィス内のゾーニングを行うことです。社員用スペース・来客用スペース・共用スペースのゾーニングを行うことで、利用者の多いエリアが視覚的に分かります。

また、出入口付近に開放感のある休憩スペースを作ることもおすすめです。出入口付近の空間が広くなることで、人通りの混雑を防げます。

2-6.避難通路を確保する

避難通路を確保する

火災や地震などの災害に備えて、非常時の避難通路を確保することも大切です。メイン・サブの動線が基本的な避難通路となるものの、各自のデスクからメイン・サブの動線までの避難通路も確保する必要があります。

避難通路を確保する際は、ルート上に危険な場所がないことも確認してください。たとえば収納棚やガラス窓の近くは、災害発生時には書類やガラスが散乱して通れない可能性があります。

給湯室も火災が発生する可能性があり、避難通路として近くを通ることは適しません。非常時に動線が遮断されない環境を踏まえて、各自のデスクから避難口までの避難経路を確保してください。

2-7.余計な動線は作らない

動線を設計する際は、余計な動線は作らないように注意してください。オフィスの各所にアクセスしやすい動線をイメージしたつもりでも、実際に使用してみるとほとんど通らなかったり、行き止まりが作られていたりすることもあります。

余計な動線を作らないコツは、オフィスを使用する社員や来客の視点に立ち、設計した動線に沿って動いてみることです。自分の足で動線を確認することで、不要な動線や迷いやすい場所、通行が困難なほどに狭い通路が分かります。

余計な動線を把握できたなら、動線の設計を修正して再び自分の足で確認しましょう。余計な動線がないオフィスは動きやすく、労働生産性が向上します。

まとめ

オフィスの動線は動きやすさ・設備の使いやすさ・安全性を意識することが大切です。

オフィスの動線を設計する際は、今回の記事で紹介した7つのコツを押さえましょう。コツを押さえてオフィスの動線を設計することで、社員にも来客にも快適なオフィスレイアウトを作れます。動線を確保するときは、通路にかかわる建築基準法・消防法などの法律も守りましょう。

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