公開:2020.03.13

補助金・助成金・融資制度とは?

コロナ新感染症で大変な状況ですが、国は様々な中小企業支援策を打ち出しています。
新年度に向けて、今、まさに新たな制度が出始めています。
そこで、今回は、令和2年(2020年)に実施される補助金情報として、中小企業生産性革命推進補助金について説明させて頂きます。

1.補助金とは?

補助金とは、国や地方公共団体等が新規事業等の費用を一部補助する制度です。例えば、今回紹介する中小企業庁の生産性革命推進補助金では、新規事業等の設備投資・システム開発について最大1,000万円の補助金が支給されます。


補助金とは?

1-1.どうやったらもらえるの?

補助金は、一般的に事業計画を作成・提出して当事業計画を外部の有識者が審査することで採択の決定がされます。補助金の種類によっても異なりますが、
一般的にA4サイズで10枚程度の分量の申請書を作成します。

数字だけではなく、なぜ事業をやるのか?といった事業の目的や、会社の強み、現在抱える課題、今後の経営の展望などを文章や図・表などでまとめていき
ます。

補助金の申請書については、事務局に申請書の記載例やひな形がありますので、そちらを使って申請書を作成します。

1-2.どんな会社がもらえるの?

補助金の種類にもよりますが、一般的には中小企業と呼ばれる会社が対象となります。



中小企業の定義 下記要件のいずれかを満たすこと
対象
【出典】中小企業庁:FAQ「中小企業の定義について」より

2.申請に向けたスケジュール

2-1.令和2年(2020年)のスケジュール

令和2年(2020年)の生産性革命推進補助金については、以下のスケジュールで実施される予定です。


  • 1次締切 令和2年3月末
  • 2次締切 令和2年5⽉頃
  • 3次締切 令和2年8⽉頃
  • 4次締切 令和2年11⽉頃
  • 5次締切 令和3年2⽉頃

いずれの締切で応募しても、締切後約1ヶ月程度で採択がわかり、採択後、再度事務書類を整えて交付決定となります。交付決定後に契約・発注・支払をしたものが補助金の対象となります。

3.採択をうけるコツ

では、補助金の採択をうけるためにはどのような申請書を書く必要があるのでしょうか?補助金を初めて申請される方、過去、申請したけど不採択だった方に向けて、補助金採択される秘訣をご紹介させて頂きます。

3-1.補助金の審査基準とは?

補助金申請書は、全部で10頁程度の記載になります。ほぼ自由書式なので、どのようなことを書くかは自由なのですが、だからといって何も考えずに申請書を作成しても採択はもらえません。

なぜかというと、補助金申請書には「審査基準」があるからです。例えば、ものづくり補助金については、以下のような審査基準があります。


(1)技術面
① 新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデアの活用等を含む))の革新的な開発となっているか。「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」や「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に沿った取組みであるか。
② 試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に設定しているか。
③ 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
④ 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか。


(2)事業化面
① 事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。
② 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。


(3)政策面
① 地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極的に展開することが期待できるか。
② ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
③ バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック製品の開発等、環境に配慮した持続可能な事業計画となっているか。


(4)加点項目
① 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した(取得予定の)事業者」
② 政策加点:「小規模事業者」又は「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
③ 災害等加点:
③-1:「新型コロナウイルスの影響を受けて、サプライチェーンの毀損等に対応するための設備投資等に取り組む事業者※」又は「令和元年度房総半島台風(台風15号)等及び令和元年度東日本台風(台風19号)の被災事業者(激甚災害指定地域に所在する者に限る)」
※ 感染症への対応としては、例えば、以下のような事例が想定されます。
-部品の調達が困難となり、自社で部品の内製化を図るために設備投資を行う
-感染症の影響を受けている取引先から新たな部品供給要請を受けて、生産ラインを新設・増強する
-中国の自社工場が操業停止し、国内に拠点を移転する 等
③-2:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した(取得予定の)事業者」
④ 賃上げ加点等:
④-1:「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者」、又は、「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明している事業者」
④-2:「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業・小規模事業者等が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合」
※ 最大6項目の加点が可能(添付書類は最大5点)。
※ 加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致した場合にのみ加点されます。


(5)減点項目
過去3年間に、類似の補助金※の交付決定を受けていた場合、交付決定の回数に応じて減点
※ 平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業、平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進


3-2.重要なのはこの3つ!

審査基準は上記の通りですが、考え過ぎても逆に手が進まないと思います。そこで、最低限、ここだけは!というポイントを3つに絞ってお伝えさせて
頂きます。

  • ポイント1:革新性
  • ポイント2:実現可能性
  • ポイント3:社会性

【ポイント1:革新性】
業界にとっての真新しさ、自社にとっての真新しさです。既存事業の延長ではなく何かしら新しいことへのチャレンジが求められます。
例えば今まで人が作業しているのを自動化したり、今までできなかった新製品を作ったり、国は新しいことへのチャレンジを応援しています。


【ポイント2:実現可能性】
革新性が高すぎると、逆にしっかりと実現できるのか?といった疑問が発生します。そこで、審査員の疑念を払拭するために実現可能性を記述する必要があります。具体的には①ちゃんと製品・サービスを作れるのか?(技術面)、②事業として収益性を有しているか?などといった点の審査があります。


【ポイント3:社会性】
最後に社会性です。具体的には、賃上げに資する事業であるか、地域経済の活性化に資する事業であるか、他の企業のモデルとなる事業であるか、などといった補助金を支給する事業としての適格性が問われます。


まとめ

以上です。いかがでしょうか?

また今回ご紹介させて頂いた補助金はあくまで一例です!
他にも多くの補助制度があります。

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