決まった座席を作らないオフィスの『フリーアドレス』導入する?しない?

政府が推進する「働き方改革」により、今注目されているのがフリーアドレスオフィスです。
なんとなく「決まった座席を作らない」と言うことは知っていても、導入することが本当にいいのかわからないと言った事業主の方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、フリーアドレスのメリット・デメリットそしてデメリットの解決策などをご紹介致します。
1.フリーアドレスオフィスとは?

フリーアドレスオフィスとは、社員が個々の席を持たずに空いている席を自由に使用し仕事をするワークスタイルオフィスのことです。
そもそもフリーアドレスとは1980年代から日本で研究と取組みが行われたワークスタイルで、1990年代にフリーアドレスを導入しているオフィスが「第8回日経ニューオフィスマーク認定オフィス」(現在は日経ニューオフィス賞・推進賞)として認定されてから徐々に浸透してきました。
フリーアドレス導入当初は日中不在にしている社員の座席分を在席者が使用し、デスクの面積を欧米並みに増やすことが目的でしたが、次第に社員分のデスクを用意する必要がなくなるというコスト削減効果として導入する企業も増えてきました。
しかし昨今、政府が推奨している「働き方改革」によりフリーアドレスを導入する企業の目的は、社員同士のコミュニケーションの活性化や仕事の効率化・生産性向上の効果として注目されています。
現在注目を浴びているフリーアドレスですが、全ての企業に適しているとは限りません。
そこで次の章ではフリーアドレスのメリットとデメリットをご紹介していきます。
2.フリーアドレスのメリット・デメリットって??
これからのオフィス改革にフリーアドレスを導入してみたいと検討中の企業も多いと思いますがフリーアドレスにもメリット・デメリットがあります。
早速詳しくご紹介していきますね。
2-1.フリーアドレスのメリットを大きく挙げると下記の4つとなります。
- 社員同士のコミュニケーションの活性化
- オフィスのコスト削減
- レイアウトの変更が容易
- オフィス環境の美化
それでは1つ1つのメリットを詳しくご説明していきます。
2-2.社員同士のコミュニケーションの活性化
フリーアドレスのメリットとして最も着目しているのが社員同士のコミュニケーションの活性化です。
フリーアドレスにすると他部署の社員が隣になることもあります。
隣同士になることで自然とコミュニケーションが取りやすい環境となり、今まで想定もしていなかったアイディアやコラボレーション企画の発展へと繋がり生産性の向上にも期待が持てます。
また他部署の社員とコミュニケーションをとることで、会社全体に一体感が生じ社員のモチベーションが向上して仕事の効率効果にも繋がります。
2-3.オフィスのコスト削減
オフィスにとってコスト削減は非常に重要です。フリーアドレス導入の当初の目的はコスト削減のためとも言われていました。
フリーアドレスにするとオフィススペースのコストダウンとペーパーレス化による経費削減に期待がもてます。
例えば日中外の勤務が多くオフィス内に人が少ない企業であれば、フリーアドレス化にすると社員全員分のデスクを用意する必要がなくなるので、オフィススペースの削減が可能となります。
また、フリーアドレスにすることで社員はそれぞれの個人ロッカーに自分の関係資料を保管するスタイルとなります。
それはペーパーレス化に繋がり紙代はもちろんコピー機削減など経費削減ができます。
2-4.レイアウトの変更が容易
フリーアドレス化にするとレイアウトの変更をスムーズに行うことができます。
固定席を持ってレイアウトの変更を行う場合、自分の荷物を整理してデスクと一緒に移動になるため大仕事となりますがフリーアドレスですとこの手間を省くことができます。
また社員の増減や異動があっても、デスクが自由ですから大きなレイアウト変更の必要もありません。
2-5.オフィス環境の美化
フリーアドレスを導入することで社員は仕事が終わると自分の資料をその都度個人ロッカーに収納するスタイルになります。
そのためデスク周辺に仕事の資料が山積みになっていることがなくなり、オフィス内はいつもきちんと整理整頓されている状態となります。
2-6.フリーアドレス4つのデメリット
- 社員が孤独感を感じる
- 社員の居場所がわからない
- 仕事に集中できずに落ち着かない
- 制度が活用できない
それでは1つ1つデメリットを詳しく説明していきますね。
2-7.社員が孤独感を感じる
フリーアドレスにすることで、社員の中にはオフィスに自分の居場所がないと感じてしまう場合があります。
社員全員が社交的とは限りません。自分の席(居場所)があることで安心して仕事ができるタイプの人もいます。
そういったタイプですとフリーアドレスは自分一人が取り残されていると感じてしまう可能性がでてきます。
2-8.社員の居場所がわからない
固定のデスクがあるとそこにいなければ不在とわかるし、またデスクに連絡事項や資料をおくことができますが、フリーアドレスですとそれができないため社内で社員を探すと言った状況がでてきてしまいます。
2-9.仕事に集中できずに落ち着かない
フリーアドレスですと周りが気になり仕事に集中することができないと言った社員もでてくる可能性があります。
2-10.制度が活用できない
せっかくフリーアドレスを導入しても、結局落ち着くからと同じ場所に座ったり、同じ部署でかたまったりしてフリーアドレスのメリットであるコミュニケーションの活性化を活用することが難しい場合もでてきます。
このようにフリーアドレスのメリットが逆にデメリットとなってしまう場合があります。
次の章ではそうならないための解決策をご紹介していきます。
3.デメリットの解決策

フリーアドレスのデメリットはある程度の技術やオフィス家具によって解決できる場合があるのでご紹介していきます。
3-1.社員の一員であると言う自分の居場所を作るためにパーソナルロッカーを用意

メールボックス パーソナルロッカー
私物も施錠管理できる!扉に投函口が付いたメールボックス収納庫
上部に書類投函口が付いており、2段になっている庫内の下スペースには私物を収納可能。施錠管理できるのでプライバシーを守ります。鍵紛失の心配がないダイヤル錠です。
フリーアドレスにした場合はパーソナルロッカー(モバイルロッカー)使用のスタイルを主流としている企業が多く見られます。
これはパーソナルロッカーに自身の名前と写真があることで自分はこの企業に属していると言う意識を持つことができるからです。
また最近ではフリーアドレスに伴いパーソナルロッカーも進化し、郵便物を配布できるようにメール投入口が設置してあったりノートPCや書類の入る大きさのものも出てきています。
3-2.社員の居場所がわからない場合は在席管理システムを採用
社員がどこにいるのかわからない場合は在席管理システムを採用するのも1つの方法です。
在席管理システムとはその名の通り社員の在席状況をWEB上などで確認できるシステムです。今は優秀なアプリやIT製品がでているので是非チェックしてみて下さい。
3-3.仕事に集中できない場合は集中ブースを設置

ローパーテーション
垂直にもL字型にも、用途やシーンに合わせた組み合わせが可能
光を通しオフィスを明るく仕切れる半透明パーテーション。軽いので設置も簡単、開放感のある空間を作れます。

パネルデスク 個別ブース
自立してレイアウトが広がるパネル付きデスク
塾やコールセンター、ネットカフェや図書館などに適した個別ブースデスクです。連結して使用するパネル付きデスクには珍しい自立型。繋げて使用するだけでなく、単体でも使用可能です。
フリーアドレスはオフィス全体をオープンにしているところが魅力の一つでもありますが、そのせいで仕事に集中することができないという社員もいます。
その場合は低めのパーテーションまたはパネル一体型デスクなどで集中ブースを設置することをおすすめします。
必ずしも開放的な空間ばかりを作らなくてはいけないと言う定義はありません。
アイディアを生み出すには一人で集中できるブースも必要と言えます。
フリーアドレスのいろいろなデメリットを一番解決すると言っても過言ではないオフィス家具がフリーレイアウトワークテーブルです。
こちらは、一人はもちろん人数にあわせていろいろなレイアウトが可能です。
集中ブース・ミーティングルーム・作業台・コーナー作りなどがテーブルを組み合わせるだけで簡単にレイアウトが可能なマストアイテムです。
3-4.制度が活用できない場合は座席選びのシステムを考える
フリーアドレスと言いながらも気がつくといつも同じ席や気の合う仲間同士で固まってしまうと言うパターンも少なくありません。
その解決策として自動で座席を決めるシステムを導入している企業やくじ引きなどで対応している企業もあります。
このようにフリーアドレスのデメリットの解決策はありますが、全てが技術や家具で解決できるものではありません。
やはり社員との話し合いをよく行い、フリーアドレスの目的をしっかりと伝えて社員に納得してもらうことが大切です。
4.導入には向いている業種と向いていない業種がある
今の時代増加しているフリーアドレスオフィスですが、メリット・デメリットを見て行くと向いている業種と向いていな業種があることがおわかりいただけたと思います。
一般的に向いている企業は営業職や派遣が多く在席率が少ない業種と言えます。逆に向いていない企業は総務職や事務職または、営業職でも夕方にはほとんどの社員が帰社し在席すると言った業種ですとフリーアドレスは難しいでしょう。
ただし部署によってフリーアドレスとそうでない場所を作る方法もありますので、メリット・デメリットを考慮しながらしっかりと目的を持って導入するのかしないかを検討することが大切です。